弁護士松本卓也のページ
  

     松本卓也からのお知らせ(H27.12改訂) 下記にテーマ別リンクあります。
        
 法律相談Q&Aに、主な取扱業務を載せています。
 もちろん、ほんの一例にすぎません。
 
 ご相談者の方の悩みに親身になって、ご相談者のご事情により適切な解決方法を考えることを大切にして、様々なご相談に応じています。

 まずはお気軽に電話でご予約ください。

 法律相談Q&Aの他にも、お役立ち情報をUPしていきます。
  ご参考になることがあるかもしれません。
  下の欄をご覧いただき、クリックしてみてください。
  よろしくお願いいたします。



  借金でお困りの方へ

 
利息の負担は、思っている以上に大きいものです。
 なんとかなると考えているうちに、返済のための借入が増えていき、借入先も増えていくなどして、生活の立て直しが困難になってしまいかねません。
 お早めにご相談いただくことが生活の立て直しのためにとても大切であると考えます。
 それぞれの方のご事情に応じて、よりよい方法を一緒に考えたいと思っております。
 借金の整理の方法には、債務任意整理、個人再生、自己破産、消滅時効援用など様々な方法があります。
 お気軽にご相談下さい。


 老後の安心と家族円満のために
 
 85歳以上の方の4人に1人が「認知症」であるという統計があります。
 認知症では、進行すると、ご自身では症状が出ていることが分からなくなってしまうことに問題があるといわれます。
「備えあれば憂いなし」という言葉もあります。
 ご自身のため、また、まわりの大切な方々のために、元気なうちにどのようなことをしておくべきでしょうか。
 また、充分な元気がなくなってきたときにどのような方法があるのでしょうか。
 さらに、その後、残された配偶者やお子様は円満に暮らしていけるでしょうか。
 老後に備えて、弁護士がどのようなご協力をできるか。
 たとえば、「Aさんの場合」を考えてみました。

Aさんの場合 見守り契約から任意後見契約の事例
 
(プロフィール)
 名古屋在住のAさんは、夫に先立たれ、1人暮らしである。
 Aさんには長男、長女、次男の子供3人がいるが、すでに成人していて別居している。

(主な財産)
 Aさんの財産は、年金収入、預貯金、株式、自宅一軒家がある他、賃貸アパートを所有しており、自分で賃貸アパートの管理をしてその家賃収入をあわせて生活している。

(子供たちなど)
 長男と長女は結婚してそれぞれ東京と福岡に住んでいる。
 次男は離婚してAさんとは別居で1人暮らしをしている。次男はうつ病であり、仕事を退職して無職となり、亡き夫の遺産で生活している。
 また、次男には分かれた元妻との間に成人した子(孫)がいるが、その子(孫)はAさんに暴力を働いたこともある上、浪費もひどく、消費者金融などに借金があるようで、Aさんの留守に家に勝手に入って無断でAさんのお金を持ち出したこともあり、Aさんは、その子(孫)にはAさんの財産を相続させたくはないと考えている。

(心配なこと)
 最近、Aさんは、財布や携帯電話などどこに置いたか分からなくなることがあったり、あるはずの物がなくなっていたりすることがあった。
 また、人と話をしていて、知らないことや聞いていないことを、周囲の人がAさんが知っているかのように話すのを聞いて、そのようなことがあったのか思い出すこともできず、おかしいなと思うようなことが起きるようになった。
 Aさんの元には、覚えのない借金の請求や、未公開株・健康食品の勧誘などもあり、しつこく勧誘に来られるため、断るのに疲れてきている。

(生活状況)
 長男と長女は、仕事や子育てに忙しく、うつ病になってしまった次男は、引きこもって生活しているため、子供たちが、Aさんに会いに来るのはせいぜい年に1〜2回あるかどうかという状況である。
 Aさんは、まだまだ日常生活をきちんと送ることもできるし、大事なことを忘れたりもしていない。

(Aさんの子供の人間関係)
 しかし、Aさんの子供たちの仲は良くない。
 長男、長女は、次男や次男の子(孫)がAさんの財産を浪費しているのではないかと疑心暗鬼になっている。
 一方、次男は、Aさんが長男長女にはそれぞれ結婚の際に相当な贈与をしているのに、次男にはまとまった贈与をしていないことなどから不満を感じている。
 さらに、次男の子(孫)の問題や、賃貸アパートの管理、しつこいセールスマンなどの問題があり、Aさんは今後の生活に不安を感じるようになっていた。
  ↓
 (それから・・・)
 平成22年某月、Aさんは弁護士に相談に行った。
 弁護士と話し合いをした結果、Aさんの場合、もの忘れがひどくなったり、財産管理や家事が充分にできなくなってしまう前に、
@、状況に応じ適切な対応をとれる状態を作っておくこと
A、充分な元気がなくなってしまったときの財産管理などの方法をあらかじめ決めておくこと
B、うつ病の次男の将来の生活に不安を感じていることから遺言書を作成しておくこと
とした。
  ↓
  見守り契約)
 まず、Aさんは、弁護士と見守り契約を結んだ。(見守り契約へのリンク)
 見守り契約により、Aさんは、毎月、弁護士と話をして自分の状態を確認してもらえる上、日常生活にまつわる法律相談もできることとなった。
 この間、Aさんは、訪問販売を断り切れずに、健康食品をクレジット購入させられたことがあった。しかし、すぐにクーリングオフ通知をして契約を解消することができた。
  ↓
 (地域包括支援センター)
 また、Aさんは地域包括支援センターのもの忘れ相談医にも相談し、早い時期から、もの忘れについての理解を深めていけば、ものとられ妄想が起こりにくいなどとの話もあったことから、定期的に通院してかかりつけ医からのアドバイスなども聞くようになった。
  ↓
 (生活の不安)
 その後、Aさんの家に置いておいたはずのお金が見つからなかったり、思っていたよりも少なくなっていたりすることが増えた。また、賃貸アパートの管理にも不安を感じるようになってきた。
  ↓
 (財産管理契約及び任意後見契約)
 そこで、Aさんは弁護士と対応を協議した。
 財産管理の方法には、社会福祉協議会が窓口の日常生活自立支援事業もある。
 しかし、Aさんは、賃貸アパートの管理もあるし、能力が衰えたときに、任意後見契約にスムーズに移行できるようにと考えて、「財産管理契約及び任意後見契約」を締結することにした。(財産管理及び任意後見契約証書の例 へのリンク)
 Aさんは、能力が衰えてしまった後に、どのような生活を送りたいかなど弁護士と話を重ねて文案を作成し、公証役場にて弁護士との間で「財産管理契約及び任意後見契約公正証書」を作成した。
 そして、重要な財産については弁護士に管理してもらい、毎月、必要な額の生活費を受け取って暮らすようになった。
  ↓
 (遺言書作成) 
 また、Aさんは、元気なうちに、遺言書を作成することにした。
 遺言書は、弁護士と協議して、後日トラブルになりにくい公正証書遺言とすることにした。(遺言書の例(公正証書)へのリンク
 そして、うつ病の次男へ財産を多く相続させると共に、将来子供たちの間で相続トラブルがおきないように、長男、長女への生前贈与の内容も明らかにした公正証書遺言を作成した。遺言書には、長男・長女に遺留分減殺請求をしないように事情も記載し、遺言執行者には、遺言執行時のトラブルを予防するため弁護士を指定した。
  ↓
 (信託契約) 
 さらに、Aさんは信託契約を利用した。
 次男の将来の生活を守るため、Aさん所有の賃貸アパートを信託して、生前はAさんが受益者となり賃料相当額を受け取り、Aさん死亡後は次男を受益者、次男死亡後は長男を受益者とした。
 この信託契約により、Aさんは、Aさん死亡後の賃貸アパートをめぐるトラブルを予防して、うつ病の次男の将来の生活を守ると共に、次男死亡後に、次男の子(孫)が賃貸アパートを相続することを避けたいとの希望をかなえることができることになった(後継ぎ遺贈型受益者連続信託)。なお、Aさんは、相続税法上有利といわれる負担付き遺贈を利用することも検討したが、兄弟間の仲が悪いことを考えて信託を利用することにした。
  ↓
 (もの忘れが・・・) 
 平成24年某月、Aさんは、食事や洗濯などの家事をやりかけたまま忘れてしまったり、日常生活に不安を覚えるようになってきていた。また、昔のことは覚えているものの、つい最近のことを忘れてしまうことが増えて、賃貸アパートの家賃の管理をはじめとした財産管理をしていくことの不安が大きくなった。
  ↓
 (任意後見開始) 
 そこで、定期的にかかっていた医師にも診断してもらい、任意後見契約を開始することにした。具体的には、弁護士に相談して、家庭裁判所に、任意後見監督人選任の申請をすることにより、任意後見がはじまった。任意後見が開始したことにより、財産管理・施設利用契約などの手続も有効かつ確実に行うことができるようになった。
  ↓
 (介護保険・施設利用契約)
 そして、Aさんは、弁護士と一緒に、地域包括支援センターにも相談に行き、介護保険の手続を取り、デイサービスなどを利用するようになった。
  ↓ 
 (そして・・・)
 その後、Aさんは、任意後見人の身上配慮と財産管理のもと、任意後見契約で自分で決めておいた方針にしたがって介護老人保健施設や指定介護老人福祉施設(いわゆる特別養護老人ホーム)を利用した。
 第三者である弁護士が任意後見人になっていたことから、生活面だけではなく家賃の管理などの収支についても、子供たちのトラブルに発展することなく、平穏に暮らすことができた。
 また、Aさんは、将来の次男の生活の心配もなくなり、安心して老後の生活を送ることができた。


 老後の生活に関連するいろいろなキーワードを以下にあげてみました。ご参考ください。
 また、お気軽にご相談ください。 

(財産管理及び任意後見契約証書の例 へのリンク)
(ちょっと工夫した遺言書の例(公正証書) へのリンク)
(相続分譲渡証明書書式)

★キーワード
・見守り契約
・財産管理等委任契約
・任意後見契約
・成年後見制度(後見・保佐・補助)
・遺言書(公正証書遺言・自筆証書遺言)
・遺言執行者
・遺留分
・遺産分割
・寄与分・特別受益
・事業承継
・相続時精算課税制度
・地域包括支援センター
・社会福祉協議会
・日常生活自立支援事業
 (福祉サービス利用援助、日常的金銭管理サービス)

・名古屋市認知症高齢者を介護する家族支援事業
 (家族教室・もの忘れ相談医の専門相談など)

・名古屋市医師会「なごや認知症安心安全プロジェクト」
 (もの忘れチェックリスト、相談医リスト)

・NAGOYA介護ネット
・介護保険
・社会福祉士(ソーシャルワーカー、SW)
・精神保健福祉士(PSW、精神病院生活相談室など)
・指定介護老人福祉施設(いわゆる特別養護老人ホーム)
(原則として終身介護であるが、病院ではないため、処置が必要になれば別の病院に入院する必要がある)
・介護老人保健施設
(医師等の配置基準が指定介護老人福祉施設より多く在宅復帰を念頭に置いており終身制ではない)
・介護療養型医療施設

(いわば高齢者用病院。病状が安定期にある要介護者に対し、医学的管理のもとに介護その他の世話や必要な医療を行う施設。)

・在宅サービス
 ホームヘルパー、訪問入浴、訪問看護、訪問リハビリ、ディサービス(通所介護)通所リハビリ、ショートステイなど
・ケアハウス
・グループホーム
・介護保険による福祉用具の貸与購入、住宅改修費の支給
・生活指導員(施設)、生活相談員(病院)




(財産管理及び任意後見契約証書の例)

     
                 日本公証人連合会出所参照  

    委任契約及び任意後見契約公正証書(移行型)

 本公証人は、委任者(以下甲という)及び受任者(以下乙という)の嘱託により、次の法律行為に関する陳述の趣旨を録取してこの証書を作成する。
     第1、財産管理及び療養看護事務委任契約
第1条(契約の趣旨)
 甲は、乙に対し、平成年月日、甲の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務(以下委任事務という)を委任し、乙はこれを受任する。
第2条(任意後見契約との関係)
1、前条の委任契約(以下本委任契約という)締結後、甲が精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な状況になり、乙が第2の任意後見契約による後見事務を行うことを相当と認めたときは、乙は、家庭裁判所に対し、任意後見監督人の選任の請求をする。
2、本委任契約は、第2の任意後見契約につき任意後見監督人が選任され、同契約が効力を生じたときに終了する。
第3条(委任事務の範囲)
 甲は乙に対し、別紙代理権目録(委任契約)記載の委任事務(以下本件委任事務という)を委任し、その事務処理のための代理権を付与する。
第4条(証書等の引渡等)
1、甲は乙に対し、本件委任事務処理のために必要と認める範囲で、適宜の時期に、次の証書等及びこれらに準ずるものを引き渡す。 
 @登記済権利証、A実印・銀行印、B印鑑登録カード、C預貯金通帳、D各種キャッシュカード、E有価証券。その預かり証、F年金関係書類、G土地・建物賃貸借契約書等の重要な契約書類
2、乙は、前項の証書等の引渡を受けたときは、甲に対し、預かり証を交付して、これを保管し、右証書等を本件委任事務処理のために使用することができる。
第5条(費用の負担)
 乙が本件委任事務を処理するために必要な費用は、甲の負担とし、乙はその管理する甲の財産からこれを支出することができる。
第6条(報酬)
 甲は乙に対し、本件委任事務処理に対する費用として、毎月末日限り金3万円を支払うものとし、乙はその管理する甲の財産からその支払いを受けることができる。
第7条(報告)
1、乙は甲に対し、6ヶ月ごとに、本件委任事務処理の状況につき報告書を提出して報告する。
2、甲は乙に対し、いつでも、本件委任事務処理状況につき報告を求めることができる。
第8条(契約の変更)
 本委任契約に定める代理権の範囲を変更する契約は、公正証書によってするものとする。
第9条(契約の解除)
 甲及び乙は、いつでも本委任契約を解除することができる。
 ただし、解除は公証人の認証を受けた書面によってしなければならない。
第10条(契約の終了)
 本委任契約は、第2条第2項に定める場合の他、次の場合に終了する。
 @甲または乙が死亡しまたは破産手続開始決定を受けたとき
 A乙が後見開始の審判を受けたとき

         第2 任意後見契約
第1条(契約の趣旨)
 甲は乙に対し、平成年月日、任意後見契約に関する法律に基づき、精神上の障害により、事理を弁識する能力が不十分な状況における甲の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務(以下後見事務という)を委任し、乙はこれを受任する。
第2条(契約の発効)
1、前条の任意後見契約(以下本任意後見契約という)は、任意後見監督人が選任されたときからその効力を生ずる。
2、本任意後見契約締結後、甲が精神上の障害により、事理を弁識する能力不十分な状況になり、乙が本任意後見契約による後見事務を行うことを相当と認めたときは、乙は、家庭裁判所に対し、任意後見監督人の選任の請求をする。
3、本任意後見契約の効力発生後における甲と乙との間の法律関係については、任意後見契約に関する法律及び本契約に定めるもののほか、民法の規定に従う。
第3条(後見事務の範囲)
甲は、乙に対し、別紙「代理権目録{任意後見契約)」記載の後見事務(以下「本件後見事務」という。)を委任し、その事務処理のための代理権を付与する。
第4条(身上配慮の責務)
乙は、本件後見事務を処理するに当たっては、甲の意思を尊重し、かつ、甲の身上に配慮するものとし、その事務処理のため、適宜甲と面接し、ヘルパーその他日常生活援助者から甲の生活状況につき報告を求め、主治医その他医療関係者から甲の心身の状態につき説明を受けることなどにより、甲の生活状況及び健康状態の把握に努めるものとする。
第5条(証書等の保管等)
1、乙は、甲から本件後見事務処理のために必要な次の証書等及びこれらに準ずるものの引渡しを受けたときは、甲に対し、その明細及び保管方法を記載した預り証を交付する。
@登記済権利証、A実印・銀行印、B印鑑登録カード・住民基本台帳カード、C預貯金通帳、D各種キャッシュカード、E有価証券・その預り証、F年金関係書類、G土地・建物賃貸借契約書等の重要な契約書類
2、乙は、本任意後見契約の効力発生後甲以外の者が前項記載の証書等を占有所持しているときは、その者からこれらの証書等の引渡しを受けて、自らこれを保管することができる。
3、乙は、本件後見事務を処理するために必要な範囲で前記の証書等を使用するほか・甲宛の郵便物その他の通信を受領し、本件後見事務に関連すると思われるものを開封することができる。
第6条(費用の負担)
乙が本件後見事務を処理するために必要な費用は、甲の負担とし、乙は、その管理する甲の財産からこれを支出することができる。
策7条(報酬〕
1、甲は、本任意後見契約の効力発生後、乙に対し、本件後見事務処理に対する報酬として毎月末日限り金5万円を支払うものとし、乙はその管理する甲の財産からその支払を受けることができる。
2、前項の報酬額が次の事由により不相当となった場合には、甲及び乙は、任意後見監督人と協議のうえ、これを変更することができる。
(1〕甲の生活状況又は健康状態の変化
(2〕経済情勢の変動
(3〕その他現行報酬額を不相当とする特段の事情の発生
3、前項の場合において、甲がその意思を表示することができない状況にあるときは、乙は任意後見監督人の書面による同意を得てこれを変更することができる。
4、第2項の変更契約は、公正証書によってしなければならない。
5.後見事務処理が、不動産の売却処分、訴訟行為、その他通常の財産管理事務の範囲を超えた場合には、甲は乙に対し毎月の報酬とは別に報酬を支払う。この場合の報酬額は、甲と乙が任意後見監督人と協議の上これを定める。甲がその意思を表示することができないときは、乙は任意後見監督人の書面による同意を得てこれを決定する。
第8条(報告)
1、乙は、任意後見監督人に対し、3か月ごとに、本件後見事務に関する次の事項について書面で報告する。
11〕乙の管理する甲の財産の管理状況
12〕甲を代理して取得した財産の内容、取得の時期・理由・相手方及び甲を代理して処分した財産の内容、処分の時期・理由・相手方
(3)甲を代理して受領した金銭及び支払った金銭の状況
(4)甲の身上監護につき行った措置
15〕費用の支出及び支出した時期・理由・相手方
16〕報酬の定めがある場合の報酬の収受
2、乙は、任意後見監督人の請求があるときは、いつでも速やかにその求められた事項につき報告する。
第9条(契約の解除)
1、甲又は乙は、任意後見監督人が選任されるまでの間は、いつでも公証人の認証を受けた書面によって、本契約を解除することができる。
2、甲又は乙は、任意後見監督人が選任された後は、正当な事由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て、本契約を解除することができる。
第10条(契約の終了〕
1、本任意後見契約は、次の場合に終了する。
11〕甲又は乙が死亡又は破産手続開始決定を受けたとき
(2)乙が後見開始の審判を受けたとき
13〕乙が任意後見人を解任されたとき
14〕甲が任意後見監督人選任後に法定後見(後見・保佐・補助)開始の審判を受けたとき
15〕本任意後見契約が解除されたとき
2、任意後見監督人が選任された後に前項各号の事由が生じた場合、甲又は乙は、速やかにその旨を任意後見監督人に通知するものとする。
3、任意後見監督人が選任された後に第1項各号の事由が生じた場合、甲又は乙は、速やかに任意後見契約の終了の登記を申請しなければならない。

代理権目録(委任契約〕
1、甲の有する一切の財産の管理・保存1
2、下記金融機関、郵便局とのすべての取引1
11〕銀行支店1
12〕信用金庫支店
13〕甲が取引をするその他の金融機関
3、家賃、地代、年金その他の社会保険給付等定期的な収入の受領、家賃、地代、公共料金等定期的な支出を要する費用の支払並びにこれらに関する諸手統等一切の事項
4、生活に必要な送金及び物品の購入等に関する一切の事項
5、保険契約の締結・変更・解除・保険料の支払・保険金の受領等保険契約に関する一切の事項
6、登記の申請、供託の申請、住民票、戸籍謄抄本、登記事項証明書の請求、税金の申告・納付等行政機関に対する一切の申請、請求、申告、支払等
7、医療契約、入院契約、介護契約・施設入所契約その他の福祉サービス利用契約等、甲の身上監護に関する一切の契約の締結・変更・解除、費用の支払等一切の事項
8、要介護認定の申請及び認定に対する承認又は異議申立てに関する一切の事項

【代理権目録(任意後見契約)】
1、不動産、動産等すべての財産の保存、管理及び処分に関する事項
2、金融機関、郵便局、証券会社とのすべての取引に関する事項
3、保険契約(類似の共済契約等を含む)に関する事項
4、定期的な収入の受領、定期的な支出を要する費用の支払に関する事項
5、生活費の送金、生活に必要な財産の取得に関する事項及び物品の購入その他の日常関連取引(契約の変更、解除を含む)に関する事項
6、医療契約、入院契約、介護契約その他の福祉サービス利用契約、福祉関係施設入過所契約に関する事項
7、要介護認定の申請及び認定に関する承認又は異議申立て並びに福祉関係の措置(施設入所措置を含む〕の申請及び決定に対する異議申立に関する事項
8、シルバー資金融資制度、長期生活支援資金制度等の福祉関係融資制度の利用に関する事項
9、登記済権利証、印鑑、印鑑登録カード、住民基本台帳カード、預貯金通帳、各租キャッシュカード、有価証券・その預り証・年金関係書類、土地・建物賃貸借契約書等の重要な契約書類その他重要書類の保管及び各事項の事務処理に必要な範囲内の使用に関する事項
10、居住用不助産の購入、賃貸借契約並びに住居の新築・増改築に関する請負契約に関する事項
l1、登記及び供託の申請、税務申告、各種証明書の請求に関する事項
12、遺産分割の協議・遺留分減殺請求・相続放棄・限定承認に関する事項
13、配偶者、子の法定後見開始の審判の申立てに関する事項
14、新たな任意後見契約の締結に関する事項
15、以上の各事項に閲する行政機関への申請・行政不服申立て・紛争の処理(弁護士に対する民事訴訟法第55条第2項の特別授権事項の授権を含む訴訟行為の委任・公正証書の作成嘱託を含む。)に関する事項
16、復代理人の選任、事務代行者の指定に関する事項
17、以上の各事項に関連する一切の事項

【同意を要する旨の特約目録】
 乙が以下の行為を行うには、個別に任意後見監督人の書面による同意を要する。
1、居住用不動産の購入及び処分
2、不動産その他重要な財産の処分
3、弁護士に対する民事訴訟法第55条第2項の特別授権事項の授権を含む訴訟行為の委任


(ちょっと工夫した遺言書の例(公正証書)

    遺言公正証書

 本公証人は、遺言者○○の嘱託により、証人○○、同○○の立会のもとに、遺言者の口述した遺言の趣旨を筆記して、この証書を作成する。
第1条
1、遺言者は、その所有する次の財産を、遺言者の妻○○に相続させる。
@、土地 名古屋市○○番地所在
     宅地 ○○平方メートル
A、建物 前記同所所在 家屋番号○○番
     木造瓦葺2階建居宅
     1階 ○○平方メートル
     2階 ○○平方メートル
B、○○銀行○○支店の遺言者名義の預金の全部
第2条
1、遺言者はその所有する次の財産を、遺言者の長男○○に相続させる。
@、土地 名古屋市○○番地所在
     宅地 ○○平方メートル
A、○○銀行○○支店の遺言者名義の預金全部
B、○○株式会社の株式 ○○株
 なお、長男○○は、上記財産を相続することの負担として、妻○○が死亡するまで同人と同居し、扶養すること。
第3条 
 遺言者は、その所有する次の財産を遺言者の長女○○と二女○○に各持分2分の1の割合により相続させる。
@、土地 名古屋市○○番地所在
     宅地 ○○平方メートル
A、○○銀行○○支店の遺言者名義の預金全部
第4条
 万一、遺言者より前に妻○○が死亡していたときは、遺言者は第1条記載の財産のうち@とA全部を遺言者の長男に相続させ、第1条記載の財産のうちBを遺言者の長女○○と二女○○に各持分2分の1の割合により相続させる。
第5条
1、遺言者は、本遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
  名古屋市中村区乾出町2丁目7番地正和ビル2階
  なかむら公園前法律事務所 弁護士 松本卓也
                   生年月日
2、遺言執行者に対する報酬は、遺産全体の2パーセントと定め、これを○○銀行○○支店の遺言者名義の預貯金より支出する。
 ただし、不動産の評価額は、遺言執行時の固定資産評価額とし、有価証券については売却時の代金を評価額とする。
3、なお、遺言執行者は、第1条ないし第3条記載の預金について、本遺言執行のため、名義変更及び払戻の権限を有する。
第6条 遺言者がこの遺言をする趣旨は、次のとおりである。
 遺言者は、長年連れ添った妻○○の今後の生活が心配である。そこで、妻○○の今後の生活への協力ないし扶養を長男○○に託すこととし、そのための費用と負担を考慮して、長男○○に財産を多く相続させた。二男○○、長女○○は、遺言者の気持ちを理解して、妻○○が幸せに生活できるよう協力してくれるよう強く望むものである。
 二男○○の相続分をゼロとしたのは、二男には二男の自宅建設の際に金3000万円を贈与しており、すでに実質的に相続分を前渡ししているとの事情を考慮したものである。
 したがって、遺言者の意思を尊重し、遺留分減殺請求などをしないよう心からお願いするものである。
     本旨外要件
  住所
  職業
       遺言者 ○○○○
           昭和○○年○月○日生 
 同人は、印鑑証明書の提出により、人違いでないことを証明させた。
  住所
  職業
       証 人 ○○○○
           昭和○○年○月○日生
  住所
  職業
       証 人 ○○○○
           昭和○○年○月○日生
 以上のとおり読み聞かせ、かつ閲覧させたところ、出席者はその記載に誤りがないことを承認し、次に署名押印する。(以下省略)



相続分譲渡証明書の例



part1     
相続分譲渡証書

          住 所
             譲渡人(甲と称す)  ○○○○
          住 所
             譲受人(乙と称す)  ○○○○

 甲は乙に対し、本日、被相続人亡○○○○(本籍     )の相続について、甲の相続分全部を有償(or無償)譲渡し、乙はこれを譲り受けた。
   平成 年 月 日
            甲 ○ ○ ○ ○   印
            乙 ○ ○ ○ ○   印
  (印鑑証明書添付)


part2    
相続分譲渡証書

 甲は,乙に対し,本日,被相続人    (本籍:          )の相続に関する相続分全部を譲渡し,乙はこれを譲り受けた。

平成   年   月   日

譲渡人(甲と称す)住  所

甲                   実印

譲受人(乙と称す)住  所

乙                    印